キンカメ系の発展以外にも良い点があります。それは、大物種牡馬と名牝との配合によって、次の大物種牡馬が生まれている流れです。
ドゥラメンテやエピファネイアは、その最たる例です。ドゥラメンテは、キングカメハメハとアドマイヤグルーヴ、エピファネイアはシンボリクリスエスとシーザリオとの配合です。この大物同士の成功配合というのは、ルーラーシップやリオンディーズ、サートゥルナーリアにも当てはまります。
このような重厚感ある大物配合の数々が、日本競馬界に良い流れをもたらしてくれています。
そこからすると、日本の種牡馬界を背負って立つ存在だったドゥラメンテの急逝は本当に悔やまれるところですが、祖母のエアグルーヴは日本競馬界の名牝中の名牝ですし、育んだ牝系の流れとミスタープロスペクター系がうまくマッチし、今日のキンカメ系の繁栄につながっています。
シンボリクリスエスも、秋天と有馬記念を2年連続で制するなど、現役時代はとても強かったですし、シーザリオもアメリカンオークスを勝っている名牝です。この大物配合から産まれたエピファネイアも、菊花賞とジャパンカップを勝ち、代表産駒のエフフォーリアも秋天と有馬記念を、ダノンデサイルもダービーとドバイシーマクラシックを勝っています。
そうなってくると、これも名牝中の名牝であるアーモンドアイと大物種牡馬との配合によってもたらされるであろう次世代への期待も、自ずとふくらんでいきます。
この潮流は、サンデーサイレンスがもたらした偉大な流れ、ディープインパクトやハーツクライ、そしてキズナ、ジャスタウェイ等、ディープ全兄のブラックタイドからキタサンブラック、イクイノックスへと受け継がれていますが、それと相まって日本競馬界を盛り上げてくれていっています。