90年代から2000年代にかけて、サンデーサイレンスが日本競馬界をたくましくし、産駒のディープインパクトやハーツクライが多くの次世代馬を送り出しました。
そのディープらの仔に合う種牡馬を、ということで、社台スタリオンステーションは新たにアメリカからブリックスアンドモルタルを導入しました。
ディープ産駒では母の父がストームキャットであるキズナが一番成功しているので、同じ系統だったことが、ブリックスアンドモルタルを導入した一番の決め手だったのではと思います。
ただ、その導入から強い産駒を産み出すという試みは、残念ながら今のところあまりうまくいっていません。これも血統の妙ということなのでしょうが、良い配合を見つけるいうのは本当にむずかしいのだなと思い知らされます。
ただ、それで今の日本競馬界の血統の状況が良くないかと言うと決してそんなことはなく、今の日本の種牡馬界は、圧倒的なチャンピオンこそいないものの、層の厚い群雄ひしめく多様な血統の広がりを見せています。
今の日本の競馬界を席巻しているのが、キングカメハメハ系の種牡馬たちです。ロードカナロアは名牝アーモンドアイを出しましたし、ホッコータルマエは最優秀ダートホースになりました。レイデオロはダービーと秋天を制し、ドゥラメンテはタイトルホルダー、ドゥレッツァ、リバティアイランド、スターズオンアースをはじめとする多くのG1馬を出しました。
キンカメ系がここまで優雅に発展したことは、日本競馬会にとってうれしい誤算だったのではないでしょうか。